相性はばっちり?/pkmnパロ。CPなし

MMMキャラがポケモンワールドにいたら?なパロディ話。

もしなにかの間違いでこのページにたどり着いた方はバックをお願いします。
何一つ公式と関係ないただの趣味と妄想の話です。 
ご都合主義でなにかが歪んでいたり、そもそも書き手はエンジョイ勢なのでちょっとした矛盾や穴があると無理って方もバック推奨です。ユルシテ…ユルシテ…

 

なんでも大丈夫って方だけお進みください。
CPは特にないです。
クリスくんとヴィーくんとボスくんだけ出てきます

 

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 ヴィダは近頃、相棒のポケモンで悩んでいることがある。
それは彼が初めて、勝負に負けたことにも由来している。
「……ねえ、人のポケモンとったら泥棒だって言われなかった?」
「取ってないよ⁉」
人の良さそうな顔で、がんっとショックを受けた様子のクリス。彼の傍らではヴィダの相棒たちが心地よさそうにすり寄っており、クリスの手持ちのポケモンとも仲良く過ごしている様子がいつ見ても慣れない。
何故なら、ヴィダのポケモンは全てゴーストタイプ。
子供に懐くが大人には興味がなく、大抵の人には怖がられ敬遠される彼らは、今までヴィダ以外に懐く様子を見せたことがない。
ヴィダが名門と称されるラッセル家に道場破りのごとく侵入し、片っ端から家の人々を負かせていったというのに、彼の相棒であるポケモンたちは最後の最後でヴィダを裏切った。いや、裏切ったという感覚も彼らにはなかっただろう。
最後の部屋。
クリスが過ごしていた部屋を通りがかった際、ヴィダのポケモンたちは吸い込まれるように中へ入り、そこにいたクリスに擦り寄って甘えはじめ、全然戦いにならなかったのだ。
「いままで、オレ以外に懐くなんてなかったのに……」
二重にふてくされた思いで、ヴィダは相棒であるランプラーの頬のあたりを突く。
ランプラーは子供の生気を吸って生きると言われているが、ヴィダは勝負で負けた敗者から少量ずつ吸うように言いつけてあるので彼自身にはなんの負担もなくランプラーと過ごしている。
しかし、多くの子供にとってランプラー、ひいては進化前のヒトモシからして天敵だ。
ただ遊ぶだけで知らず知らずのうちに活力を吸われ、いずれは命の灯火を揺らがしかねない。
ゴーストタイプの多くが子供を驚かしたり、生気を吸うため、その家系がゴーストタイプの扱いに長けていない限りはまず我が子に近づけさせない。ヴィダは成長するにつれ、自然とゴーストタイプと触れあうことが増え仲良くなっていったので、そのあたりは後から知った。
しかし……とクリスを見る。
のほほんとランプラーやボチと戯れる彼は、由緒正しい家の出だ。
とてもゴーストタイプに縁があると思えない。
「あんたは、怖くないの」
「ん?」
「ゴーストタイプ、怖くないの」
クリスの手持ちのポケモンを全てみたことはないが、よく見かけるニンフィアやチルタリス、マリルリを見るにフェアリータイプのトレーナーなのだろう。
彼のふわふわとした雰囲気からしても、間違いなさそうだ。
飼い主がポケモンに似るのか、ポケモンが飼い主に似るのかはわからないが、トレーナーの雰囲気と手持ちのポケモンは不思議と似た様相を持つ事が多い。
ヴィダの所属する組織のボスはドラゴンタイプばかり扱うと聞くし、友人のバートがでんきタイプをよく使うのもちょこまか動く彼の性にあっているし、同じく友人のシャルロットはタイプこそ統一されていないが、ラッキーやトゲキッス、エルフーンと彼と雰囲気が似た性質のポケモンを好んでパートナーにしている。
確かに四六時中一緒に過ごす相手なのだから、気があう者同士でないとうまくいかないのだろう。
だからこそ不思議だった。ゴーストタイプと無縁そうな彼に己のポケモンが懐くことも、クリス自身がヴィダのポケモンをまったく恐れる様子がないことも。
「みんなかわいいよ?僕も昔、ランプラーと一緒に居たことがあるんだ」
「え?あんたが?」
「うん。家の物置の近くで、その頃はヒトモシだったんだけどね。出会ってさ」
おもむろにズボンの裾から、豪奢な見た目のボールを取り出すとぽんっと気軽な調子で投げる。
現れたのは、荘厳な輝きをまとったシャンデラ。
「ランプラーだったのは随分昔だったから、懐かしいなーって」
ねーと微笑むクリスに、シャンデラも嬉しそうに寄り添った。
燦然と燃え盛る炎の花が舞い、紫苑色の薄闇に目が奪われる。
「ヴィーくん?」
はっとする。
危ない、と首を振り、意識に錨を下ろすように鋭く息を吸う。
本当に危ない。ゴーストタイプは彼らが意識せずとも、生を吸い取る。
彼らに魅了され、気がついた頃には手遅れになってしまうような、そんな危うい存在だとヴィダがなにより理解しているというのにそれでも目を奪われた。意識が浮ついた。浮つかせられたのだ。
一瞬シャンデラと目があったような気がしたが、次の瞬間にはクリスの手によってボールへ戻されていた。
「こんな風にシャンデラとも過ごしていたし、小さい頃によく行ってたお屋敷では、親の仕事を待つ間はどこからともなくフワンテが飛んできてたから一緒に遊んでたしね。だから僕にとっては子供の頃の思い出の子達なんだ。怖いって思ったことないかも」
「そう、なんだ」
ヴィダがなんとか頷いてみせると、その背にあたたかいものを感じた。振り返るとニンフィアがにこりと笑い、高く鳴く。彼が癒やしてくれたのだろう。
ふう、と気持ちが楽になり、指先の震えが止まった。
「で、でもヴィーくん、確かに僕はゴーストタイプの子たちも好きだけどさ。ヴィーくんの子たちを盗もうなんてこれっぽっちも思ってないからね!?」
「どうだか」
「思ってないよー!」
信じて-!とむきになるクリスが面白くて、もうしばらくはこのネタでからかってやろうとヴィダは思う。
そういえば、とクリスのベルトについているボールを確認する。
彼の持つボールの殆どは、ヒールボールだ。色がやわらかいピンクなので非常にわかりやすい。
だが、彼の手持ちの中でチルタリスだけはゴージャスボールに入っていたと記憶している。
しかし、先ほどのシャンデラは確かにゴージャスボールから飛び出てきた。そしてそのボールは、ぱっと見では見当たらない。それは、あのシャンデラはバトルでは出さない……つまり手持ちのポケモンではない、ということなのだろうか。
疑念は残るが、それ以上考えても仕方が無いとヴィダは思いながら、いつのまにか自分の傍らに戻ってきていたボチの背に顔を埋めた。

……………………
…………

「……ってさ。あの子、君がシャンデラを持ってたことが余程衝撃だったんだね」
「そんなに驚くことですかねえ」
ところかわって数日後。
クリスはヴィダの上司であるレグナムに呼び出され、彼の話しに付き合っていた。
手にはアルコール入りのモーモーミルクコーヒー。
二人の傍らにはそれぞれニンフィアとサザンドラが行儀良く座り、互いに目線で牽制していた。
「君って、家からもらったポケモンはゴージャスボールに入っているんだろう?」
「まあ。もらったボール、全部それでしたし」
「あの子は君と戦わなくてよかっただろうね」
ちら、とクリスの持つボールに目線を向ける。
彼の今いる手持ちは、ヴィダと出会ってから迎えたものが殆どだ。
「どうですかねえ。ヴィーくん頭いいですし、判断が早くて読みもいいのであっさり僕に勝ってたと思いますよ」
「あの頃の君の手持ちって、カイリュー、ヌメルゴン、シャンデラ、ドラパルト、ガブリアスにチルタリスだったっけ」
「……なんで知ってるんですか……」
うさんくさいものを見る目でクリスはじとりとレグナムを見るが、彼は特に気にした様子もなく手にしたグラスを空にすると、マスターに次の酒を頼む。
「みんな、いい子たちでしたよ。ただなんとなく、家を出たから変えようかなっておもっただけで」
「別になにも言っていないよ」
「なにか言いたげだったじゃないですか」
むう、と唇を尖らせるクリスに、レグナムは口の端を歪めて返す。
「君も大変だね」
「あなたの相手が一番大変ですよ」
「楽なほうだろうに」
「そっちじゃないです」
じゃあどっちのなんの話しだとバーに居合わせた客が思わず聞き耳を立てたところで、レグナムがおもむろに伝票を持って立ち上がる。
「え、ちょ、えっ、待ってください」
あとを追うようにクリスも立ち上がり、バーのマスターに謝罪しながら急いで後を追いかけていく。
「なんなんですか急に-!」
「店を変えようと思って」
「事前に言ってくださいって、もー」
ばたばたと走るクリスの横をニンフィアが併走し、時折、心配そうな顔をクリスに向ける。
トレーナーを気遣い、慕っている様子を見てもクリスが昔からフェアリータイプ遣いだったことを疑う人物はいないだろう。
たとえ彼の手持ちに場違いなドラゴンタイプが居たとしても、チルタリスであればその見た目と特殊な条件でフェアリーとなるため違和感を抱く者は少ない。
家からはドラゴンタイプを与えられ、今は自らフェアリータイプを選んだ彼が、本当に好かれているタイプはなにか。それを理解していながら、クリスはフェアリータイプを傍らに置くことを選び続ける。
「難儀な主人だね」
レグナムがニンフィアに言うと、ニンフィアは高い声を出して頷く。
その親しげな様子に、クリスは得意げな顔でこう言い放った。
「人のものとったらドロボー!なんですよ」
「じゃあもらっちゃおうかな」
「ドロボーだって言っているでしょうに!」
全然気にした様子のないレグナムにクリスがむきになると、ニンフィアとサザンドラが呆れたような声を出す。二匹の色んな方向にどうしようもない主人たちが、こういうどうしようもないやりとりをはじめると長いのだ。さっさと次の店が見つかってくれることを願いながら、二匹は遠くをみやった。