2/2は誕生日じゃありません。(カプ要素なし)

 節分の日の話。

途中からオチが読めてしまいそうだなーと思いつつ、まあいいかーと書いているので読めたなって人は読めたなって気持ちで読んでください(土下座)

 シャルくんの誕生日はにゃんにゃんにゃんの日ですが、何を書いたものかと今から悩んでおります…

 

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 室内に足を踏み入れたクリスは、はて、と目を瞬かせた。
「あれ?今日シャルくんお誕生日じゃなかった……っけ?」
というのも、今日はてっきりシャルロットの誕生日だとばかり思い込んでいたのだ。
昨晩、明日は夕方までに帰ってくるように言われていたし、シャルロットとバートの二人も夕食に同席すると聞いていた。しかし、いざ帰ってきてみると室内の飾り付けはされておらず、見たことない食べ物が並べられている。食べ物、だとは思うが一体なんだろうかと首を傾げるクリスに、ヴィダが肩をすくめた。
「2/22だよ。今日は2/2」
「あー、ごめん間違えてプレゼント買ってきちゃった」
「あ、いいんですよ。まぎらわしくてすいません」
「またこれは当日に渡すね」
頬を掻いて謝罪すると、自室にプレゼントを置きに行く。
そんなクリスを見送ると、シャルロットはヴィダに話しかける。
「ボクたちにプレゼント贈る習慣なんてないからびっくりしちゃった。クリスさんてほんとにいい人だよねえ」
「アイツ自身は誕生日にいい思い出あんまないらしいけどね」
テーブルに細いグラスを置き、4人分ぶどうジュースを注ぐ。クリスはワインも飲めるが、他に大人がいないときの彼はアルコールを好まない。なので、みんな揃って同じジュースを飲むのが4人の食卓の恒例だった。
「金持ちの家だもんなぁ。なんかいっぱい人が来るんだろ?めんどくさそ」
「ボスも人と話すのが面倒だからって誕生日誰も知らないしね」
「あ~。ボスはでも、知り合い……」
「バートそれ以上はシッ」
シャルロットに鋭く諌められ、バートは自らの口を両手で覆う。
「で、ヴィーくん。とりあえず全部並んだけどこれどうするの?」
皿に並べられた円筒状の食べ物を見て、シャルロットは困った表情を浮かべる。バートも未知の食べ物にどちらかというと怪訝そうな表情だ。
パッと見は真っ黒なのだから、食欲がそそられないのも仕方のない話だ。
「ああえっと」
話し始めるところでクリスが戻ってきて、席につく。並べられた食べ物をしげしげと眺め、ヴィダに尋ねる。
「これってよく見たらノリマキ?東の国の。昔食べたことあるよ。生のお魚とか、お野菜が入ってるんだよね」
「ナマの?腹壊さねえ?」
「新鮮なものじゃないと危ないんだけど……ヴィーくんのことだから朝、港で買ってきたんじゃないかな?」
クリスの言葉に頷き、ヴィダはインターネットでみた東の国の風習について話す。
今日は節分という日で、東のある国では太めの海苔巻きを特定の方角を向いて食し、願掛けをするのだという。
「食べきるまで口を離しちゃいけないんだって。あと、そこに豆があるんだけど、食べ終わったらそれを外に向かって投げるんだってさ」
「ふうん?なんで?」
「邪鬼払いだって。鬼は外で、福は内にっていう風習なんだってさ」
ヴィダは全く信じていない顔でそう語る。実際、こういった風習やオカルトの類を彼は信じていないのだが、クリスが楽しみの一つとして様々な文化に触れようとするので、ヴィダも調べたり触れようとしている。彼からすると願掛けよりも、今回初めて作った食事が満足に作れたことのほうが心を満たしていた。
「……なーんかさー。こんなぶっといモン口に突っ込むって」
「バート!」
「へーい。東の国のやつってえっちなのかな〜」
「どこの国にもえっちなこと考えてる人はいっぱいいるよ〜」
さらりと言うクリスに、メイド三人はなんともいえない表情を浮かべる。そんな彼らのことなど意にも介さず、海苔巻きの一つをクリスは手に取った。
「さてじゃあ食べよっか」
「ん。じゃあええっと……こっち。こっち向いて食べるんだってさ」
「へーい」
それからしばらく、四人とも無言で海苔巻きを食べる。とはいえ食べ慣れてもいないものを無言でしばらく食べ進めることに早々にバートは飽きてしまい、口だけでむぐむぐと咥えながらおもむろにシャルロットを振り返り、彼を噴き出させることに成功した。
「……ね〜〜〜〜!!なんでそうやってすぐ遊ぶのー?」
「だぁってこれうまいけど食べ辛いしさー、なかなか噛み切れねーしぃ」
二人でやいのやいのしてる間にクリスとヴィダは食べ終わり、次の海苔巻きに手を伸ばす。
「美味しいよヴィーくん。朝からありがと」
「ううん。でもきゅうり入ってるやつがシンプルにうまいや」
「ヴィーくんさっぱりしたの好きだもんね」
皿が空っぽになると、次は豆まきだとテーブルの上を片付け、ボウルに入った豆をそれぞれの手元に用意する。升は用意できなかったが、今日だけのために散財するのも違うなと倹約家なヴィダである。
「鬼はー外ーで外……ううん、ドアに向かって豆をまいて、福はーうちで部屋の中にまくんだって」
言いながらヴィダが実演し、シャルロットが後に続く。
続いてバートが豆を投げたのを見て、最後にクリスが豆を握り、ドアを向く。
「おにはー」
外ーというタイミングでドアが開き、そこには鬼が立っていた。
「……こんばんは、みんな」
「ぎゃーーーー!!鬼!鬼は外!」
阿鼻叫喚の叫びと共に、投げつけられた豆を受けて微笑むと、レグナムは背後に控えた護衛の差し出した豆を受け取り、
「はいはい、みんなに幸あらんことを」
と勢い良くクリスに向けて投げつけるのであった。


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「それでご用件は」
「おや。今日はシャルロットの誕生日と聞いていたんだがね」
「22日ですぅ……」