トラブルメーカーバートくんが、クリスくんにおねだりする話。
二人に恋愛感情はありません。
バートくんは花屋のマリーちゃんに淡い恋心と憧れを抱いているんですが、ヴィーくんとシャルくんと三人でいることに強い執着がある子です。
バートくんが、というより、メイド三人組はお互いにお互いをかけがえのないものだと思っているので、実のところ三人ともその意識が強いです。
とはいえクリスくんは基本スタイルが誰にでも優しくて無意識たらしなので、この三人からはもみくちゃにされることがまあまあよくあります。全員囲っとこ(?)
連続でR18投稿してる感じですが、これらの話書きながら原稿してたんで実はえっちっちじゃない話の方が多いんですよ。本当なんです。信じてください。
↓R18なのでしばらくスクロールお願いします↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
策略というのは、計画的に行わないとかえって己が身を滅ぼすというのは習っていたけれど。
「まいった……」
今日も今日とて己が宿敵、ヴィダの弱点を探ろうと忍び込んだ部屋を探るうち、なんだか変な気持ちになってきてしまったのだ。
というのも、男二人で住む家なのにやたら優雅で華やかな香りが満ちていて、布団は綺麗に整えられゴミはしっかりとゴミ箱に。もちろんそれは完璧なメイドを装う彼らからすれば当たり前なのだが、家主の好みというのだろうか。一時的な宿泊施設のような整いきったものではなく、確かに人が住んでいる、と感じられるのだと受け取って、ついついバートは考えてしまう。
彼らが普段どんなふうにすごしているのか。
それぞれ個室を設けているようだが、実は夜は一部屋しか使っていないのか。
いやいや。
恋愛感情があったとして、彼らは互いに奥手で遠慮しており、かといって主従関係を掲げて性欲だけを処理している風を装っているのかも?んで、互いに内心自分のことをずるいだとか思っているのかも??
一度走らせた妄想はどうにも止められず、つい布団をめくってみたり、枕からよこしまな香りがしやしないかと鼻を寄せてみたり。
そうこうしているうちに、体がうずいてきてしまった。
流石にここでするのはなぁ、と己を持て余していると、背後から気の抜けた声がかけられた。
「……あのー、バート……くん?だよね?何してるの?」
「うわぁ!?な、なななんで帰ってきてんだよ家主!帰れ!」
「え!?いや、帰ってきたとこなんだけど?」
両手をあげて驚いているのは家主のクリスだ。なんと恐ろしいことに、家主が帰ってきたことにも気が付かずにバートは妄想に夢中になっており、不審者丸出しで犯行現場に留まっていた。
もしヴィダが組織に戻って告げ口でもすれば、あっという間にランクが降下しかねない話であり、一気に顔面から血の気が引いていく。
と、そこで気がつく。
「……あれ?あいつは?」
「ん?ヴィーくん?ヴィーくんに用事だったなら悪いんだけど、隣に花屋あるでしょ」
花屋、と言われてバートの頬が僅かに紅潮する。
「仕入れのトラックが隣町で事故起こしちゃったみたいで、でも今日は予約が入っていた花があったみたいでね。ヴィーくんは一日花屋のお手伝いさんをすることになったんだ」
「お前は行かないのかよ」
「あー、僕はねー……」
頬をかき、視線を逸らすクリスにああ、と察する。
「わかった。居るだけ邪魔なんだろ」
「うっ……いやー、花束って作ったことないし、店番もしたことなくてね。忙しい日に、未経験の人間がいても迷惑だからさあ……」
それはそうだろう、と肩を落とすクリスを見て、バートはもじ、と内ももを擦り合わせる。どうしよう。ヴィダはいないらしい。
聞くところによれば彼らはまだ恋愛関係ではなく、ヴィダ自身そんな感情は持っていない。雇用関係で主従関係にありながらそんな感情を持つわけがないとやけに雄弁に語っていたし、悔しいことに花屋のマリーからはクリスに熱視線が向けられている。
一番読めないのがこの優男なのだが、と視線を向けると、首を傾けられる。
「どうかした?ヴィーくん、呼んでこようか?」
「うーん……いや、いい。それよりさぁ、ちょっと、その、物は相談なんだけど……」
あーやばい。
顔がいい。
ヴィダもシャルロットも、組織の中で上位にいる仲間たちは業務都合上、常に身なりを整え容姿が整っている者ばかりであり、そんな中で育った所為なのかバートは己がメンクイの気質があることを理解していた。
ついつい妄想してしまうクリスとヴィダの関係だって、顔がいいもの同士の営みは耽美なものを感じてしまい、捗ってしまうからだ。
そしてついつい、ついつい己が妄想の果てに体が昂ぶってしまった。
「?」
不思議そうな表情を浮かべるクリスに、ええいままよと打ち明ける。
「実は今……ちょっと、えっちな気分になっちゃってて……助けて、ほしいんだけど……」
「え?」
「ああああの!別にお前に気があるとかじゃなくって!オレなんなら好きな人いるし、そんな誤解されても困るんだけどさ!だけど、だけどぉ……」
情けなさに思わず座り込んでしまう。
クリスはうーんと声に出して悩んでおり、どうしたものかと思案している。
いや恥ずかしくて死ぬ!殺してほしいぐらい恥ずかしい!と頭を抱えるバートを見て、悩んでいるのが容易にわかる。
やはり駄目か、とおもい、恥ずかしさから涙が出そうになっていると、
「いいよ。すごく困っているみたいだし」
そのままふわりと抱き上げられ、ふっかふかの椅子に座らされる。
驚いて目を見開くと、クリスは柔らかな表情で尋ねてきた。
「どうしてほしい?」
「どう……あー、えっと……」
あれ、めっちゃ恥ずかしい。
昼日中ということもあってか、相手がクリスだからなのか。いつもの仕事のときよりも恥ずかしさが足の先から頭の先まで満ちていく。
「とりあえず、楽にしてあげればいいかな」
「あ……」
一瞬、ほんの一瞬だけ見えたクリスの表情を見て思わず口にしかけた疑問を急いで飲み込む。そのまま手で口を押さえ、目を瞑った。それが、彼への敬意だと思ったのだ。
クリスが、自分に請われて行為に至るのであれば、自分はそれを見るべきではないと。
エプロンごとスカートを持ち上げられ、下着の隙間からすっかり張り詰めた熱が取り出される。
ぷるん、と震えたそれが温かい咥内に招かれて、ぞぞぞ、と快楽が背筋を這い上がった。
「んんん〜〜〜……っ」
びくっ、と足の先が伸び、体が内向きに丸まる。上へ、上へと根本から先端までを舌先が撫で、柔らかく吸い付かれる。
「あっあぅ、…っ、んっ、んん」
エプロンを口に突っ込み、必死に声を殺そうとするが気持良すぎて噛む力が弱まる。
「あっあー……!ゃ、んっ、ん……!」
じゅぷ、じゅぷっと唾液を含ませるようにして何度も上下に往復していた熱が口から離れて、すぅ、と外気に触れる。
「んぁ……?ぁっ、?あ、あぁっあ、あっあっ…!」
ちろちろと先端を擽られ、太ももがびくびくと跳ねる。思わず足で彼の頭をはさみそうになるのを堪え、全身に力がこもる。
物足りなくて、本心ではもっと色々してもらいたくなって、でもそれは流石に悪いことだと必死で欲求をおさえるが、さびしさに疼く胸が自然と反ってしまう。
「あっあっ……ッ…は、……ぁっ!?ゃ、んー…ッ!」
ぴん、と爪で衣服越しに乳首を刺激されて、視界がぱちぱちと弾けた。
「っっっ……は、ぁ…!……ぁ、ぁ…」
達する寸前に咥内に招かれ、こく、とすべて飲み干される。
そのおかげで放熱はあたりを不用意に汚さずに済み、肩で息をしながらバートは安堵に息を吐く。
「ごめん……助かった……。あいつには絶対言わない。ほんと悪かった」
「まあ、ほら。男の子だもんね。そういうこともあるよ」
お前も年頃だとは思いますがね、と内心で悪態をつきながら、手渡されたティッシュで己の身を整える。
「じゃあ僕は口ゆすいでくるから、落ち着いたら帰りなよ」
「ん。そうする」
不法侵入の犯人であり、暗殺稼業をしている人間にもすんなりと背を向けるクリスの警戒心の無さに、ヴィダではないが内心で微かに苛立ちを覚えつつ窓から出ていく。
屋根に登り、ぼんやりと黄昏に浮かぶ雲を見て考える。
困ったなあ。
恋愛感情はない。これは事実であり、絶対にクリスに対して恋愛感情は抱かないことは明確にあった。
けれど男の子で、しかもえっちなことが好きな男の子なので、ついついどうしても考えてしまうことがある。
「なんかの間違いをおかしたくなるなぁー」
バレたら殺されるよなぁ、と肩を落とし、妄想だけで済ませようと思い直す。
とりあえずはシャルロットのところへ帰らねばとバートは屋根から立ち上がり、夕暮れに沈む街へあっという間に溶け込んだ。